はじめに
せんだい演劇祭2025やひのき舞台Version:3『あなたがここにいてほしい』を支えた、当方用意のモニタ一式をご紹介します。
両催事の会場でしたせんだい演劇工房10-BOXには、劇場になっている部屋(box-1)と、普段は稽古場で催事ごとに楽屋や待合室として利用する部屋(box-2,3,4など)とがあります。が、常設のモニタや部屋間を渡る回線はありません。部屋の壁やドアにはケーブルを通す穴等もありません。劇場の様子を、控室や楽屋にする部屋でネットに頼らず把握しようとすると、その都度、信号がドアを越えるように、機材を仮設することになります。
ドアを越えて配線をして、音声や映像や有線インカムを引き回すことについて、今回で一定の水準に達したように思いますので、以下に紹介いたします。
実際の様子
まずは情報の起点から。場外へ音や映像を送っているのは写真1中、もふもふの中のマイクと、右側のアクションカメラです。マイクは指向性の狭いマイク(ガンマイク)で、舞台上の音をしっかりとらえます。一方、カメラは広角で、客席の一部までカバーしてします。
写っている防犯カメラ的なもの2つは、暗視カメラです。暗転や、ごく暗いシーンでも、舞台の様子がよくわかります。ひとつは舞台監督のもので舞台袖で、ひとつはうちのもので音響さん(主に本儀)と照明さんがオペレートブースで、それぞれモニタに映して見ていました。
写真2は、マイクの音を、小型のミキサーで、増幅、分岐した先のひとつです。待機や作業中の方々に音を届けて、催事の進行を把握していただいていました。主催者の部屋で、会場内の緊急時などの対応に効いてくる、大事なモニターです。もっとも、両催事とも、実際にはありがたいことに何事もなく、「作業や待機の際に劇場内の様子を聞けて良かった」、と、好評でした。
box-1の外には、よく、写真3のような受付ブースが仮設されます。中に音声モニターを、写真4のように設置しました。受付とお客様案内の方が、場内の様子や作品の進行を把握できていることで、遅れていらしたり一時退出からお戻りになったお客様をお通しする際に、真っ暗や凄く静かな場面を避ける、等の利点があります。
クリアカムはドアクローズ等の連絡で、会場内外を声でつないでいました。開演時の、受付サイドと出入り口ドアの状況を舞台監督が確認するのに使っていました。
楽屋モニターは写真5にあるように映像つきです。作品後半に出番な出演者さんにも、今日の上演の感覚を把握しつつ、リラックスしてお待ちいただけます。また、開場中や上演中以外にも、舞台や場内に行ってもよさそうか、何かで忙しそうなのか、等がわかります。
楽屋モニタは、せんだい演劇祭2025では無音で運用しました。複数団体が出演する催しだったので、話の筋などはわからないようにするためです。おかげで、お互いの演目を、おおむね新鮮な状態で劇場でご覧頂けたと思います。
これらはすべて、box-1のドアの隙間から、ごく平たいケーブルを使って信号を外に出すことで実現しています。アナログ音声は変換コネクタを使って、映像はHDMIをデジタル変換して、イーサネット用のフラットケーブルにのせて引き回しています。
図面
舞台仕込み図オープンテンプレートを使って、Dynamic Drawというフリーソフトで描いています。
せんだい演劇工房10-BOXに限らず、ギャラリーやスタジオなどで部屋間を渡る回線の無い場合や、劇場でもモニタを仮設なさりたい際など、どうぞお気軽にご相談ください。
2025/12/20 本儀拓(キーウィサウンドワークス)